私がこの前道を歩いておりますとね、ヒビがあったんですよ。ヒビ。

亀裂と言いましょうか、あのヒビでございます。

え？どこに？

はぁ、まぁ、なんと言ったら伝わるのでしょうね、どこにでもあるのですよ。

当たり前？

はぁ、まぁ確かに当たり前なんですがね・・・そうではないんですよ。

伝えにくいですね。



まぁ、とにかく見渡すかぎりあるのでございますよ。

ワタクシ、なんでも気になる性格でして、ヒビの隙間を覗いて見たんです。

何があったと思います？

ヒビの中には何もないだろって？

いえいえ、中身は全部違ったんですよ。

仕事の疲れ、友人関係、上下関係、恋愛、などなどいろいろありました。

ひとくくりにまとめて言いましたが、実際には似てるようで全然違うんでございますよ。



でも、そのヒビがここ最近多すぎて、それを見てたらなんだかワタクシ人間として生きていくのがイヤになっちゃいましてね。

それで、飛び降りてみたんです。

でもね、死ねなかったんですよ。

なんでって？

せっかちな人だな〜、今から言いますってば。

その時ね、初めて自分が猫だという事に気づかされましてね。

どうりで飛び降りても死ねないわけだ。ははは。

ま、こんなこと人間の貴方に言ってもどうせ伝わらないでしょうがね。

ワタクシが何を言いたいのかと言いますとね・・・・・



あ、カツオブシくれるんですか、良いですねぇ。

有難うございます。



ははは、猫って気楽なもんですよ。

貴方も次に生まれ変わるときは猫になれるといいですねぇ。