一万円

ある日、貧乏な男が街を歩いていると空から1万円が降ってきた。

貧乏な男は「これぞ天の恵みだ」と思い1万円を拾った。

そして、貧乏な男はその1万円をすべて宝くじに使った。

なんと馬鹿な男であろう。

しかし見事に大当たりした。一等だ。

貧乏な男は「やや、あのお金は本当に天の恵みだったのだな」と思い、そのお金を足りない頭で一生懸命考えて使った。

そして貧乏な男は、小さいながらも社長になった。

しかし、それで運は終わらず、1年後にはついに大手の会社になった。

貧乏な男はお金持ちになった。





ある日、金持ちの男が道を歩いていると空から1万円が降ってきた。

お金持ちの男は「これは誰かの落し物だろう」と思い1万円は拾わなかった。

お金持ちの男は急成長した会社に業界最大手だった自分の会社を抜かれ、その責任を取らされて辞任させられてしまった。

おまけにその時に会社の金を横領していたことがバレ、持っていた財産を全て取られてしまった。

男は心の底から「ついてない」とつぶやいた。

お金持ちの男は貧乏になってしまった。

お金持ちだった男は死ぬ決心をした。

最後に死ぬ決意を固めるため、憎い急成長の会社の前を歩いていた。





ある日、貧乏だった男が社長室から下を見ていると、貧乏そうな男が歩いていた。

貧乏だった男は昔の自分を見ているような気がした。

そして、「もしかしたら自分のように1万円で人生が変わるかもしれないな」と思い、

窓からそっと一万円を落としてやった。









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