月はやさしく照らす

彼女はいつも夜になるとロウソクもつけず月明かりの下で人形と会話していた。

会話・・・・・・正確には彼女しか話していなかったが、会話と呼ぶのが一番しっくりくる。

僕はそんな彼女をいつも見ていた。

僕は彼女を愛してしまっていた。

彼女はとても美しかった・・・・まるで人形のように。



しかし、ある朝彼女は消えていた。

いや、僕にはわかる、彼女は消えてはいない。

彼女はちゃんとここにいるのだ。

今彼女は僕の横にいる。

そして、こんな事を言うのだ。

「今夜は月が出ていて綺麗ね。」

そして僕はこう言う。

「今夜も君と話が出来て嬉しいよ。」

「あなた珍しくむずかしい顔してたけど、大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だよ。なんで君と話ができるようになったのか考えてただけさ。」

「いいじゃない、そんなむずかしいことは。」

「それもそうだね。」



月は今夜もやさしく2体の人形を照らす。










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